SPEC〔self〕CHECK



勝手に期待して、勝手に思い込んだだけだったのだ。あんな風に触れられる自分は、きっと精巧で美しい造形物なんだと、そう自惚れただけだったのだ。
奇術芸団は、来訪すれば街から宝を一つ頂戴してゆく。
「彼女と丁重に踊って差し上げてください」
クラウンがパチンと指を鳴らした瞬間、人形使いが指に付けた器具より伸ばした操り糸で、不運な目撃者の婦人を絡め取った。婦人は、まるで操り人形のように自由を奪われ、悲鳴を上げる。
けれども、そんな婦人を腕の中に迎え入れ——僅かに昂揚した様子の——人形使いは微笑んだ。婦人が息を飲むのが聞こえたかと思えば、人形使いはまるで何かの演目を演じるかのように婦人の口先に指を当てて、声を出さないようにと指示をする。
「静かにしていてくだされば、命までは奪いません」
クラウンがそう言って、今度は三月に目配せをした。三月は頷く。
ハーモニカのような笛を口に銜えた。音のないそれを吹いている内、人形使いの腕の中にいる婦人は意識を失い、そうして操り糸によって簡単にダンスを踊った後、手頃な椅子に降ろされた。
一つ演目を踊り終えた婦人の手を絡め取り、人形使いがそっとその華奢な手の甲に口付けを落とす。ローブの向こうで薄く笑った表情に、三月は落胆していた。
(なんで)
三月がハーモニカを口から離すと、仲間たちは耳に付けた栓を外し、そうして本日の目的を果たさんとする。
「素敵なドレスですね、兄さん」
上等に仕立てられたドレスを腕に、クラウンが三月に微笑みかけた。けれど、三月はどこか上の空で、クラウンの言葉には曖昧に頷くことしかできなかった。
「兄さん……?」
クラウンが不思議そうな顔をしていた。
そんなドレスも似合う素敵な人形なのだと自惚れていたのだ。人形使いが操るものはなんだって、そうして素敵になり得ることを失念して、勝手に期待していたのだ。


飛行船に戻って、そのまま夜間の内に街を離れる。
目的を果たして空高く飛び立ち、大気の軌道に乗った飛行船を操舵手と技師たちに任せ、三月は自室への通路をとぼとぼと歩いていた。
「ミツキ」
そんな三月に早足で近付く者がいる。足を止めて振り返った。そこにいたのは、ナイフ投げだった。
「ナギ、どうした?」
「こちらのセリフです」
ナイフ投げはおもむろに三月の顔に手を伸ばし、そうしてそっと頬を撫でる。
「ミツキ、元気がありません……」
「そんなことないよ」
大丈夫、と目を伏せて笑う。頬にあるナイフ投げの手をやんわりと掴んで、離させた。それでも不安そうな表情をやめないでいるナイフ投げを、三月はゆっくりと見上げる。
「ナギ」
「はい?」
「オレって……綺麗ではないよな」
三月の問い掛けに豆鉄砲を食らったような顔をしたナイフ投げが、きょとんと目を丸くして、それから自身の細い顎を撫でた。
「ミツキはキュートです!」
「キュートかぁ」
そっかぁ、そうだよなぁ、あははと笑う三月の肩を撫でたナイフ投げは、今度は打って変わって真剣な表情で言った。
「キュートで、朗らかで、それに……優しい。綺麗という言葉では言い尽くせない」
「お、おう……」
端正な顔立ちのナイフ投げが真面目にそんなことを言おうものなら、三月は簡単にたじろいでしまう。
「あ、ありがと……」
しかし、そんな二人の間に、突然にゅっとひつじのパペットが顔を突っ込んできた。
無言のそいつに、ナイフ投げが顔を顰める。
「おい、何か言ったらどうだ……?」
「オレもそうオモいマス」
ちっと舌を打ったナイフ投げは、このパペットのことが好かないらしい。正確には、ローブに隠れて人形に喋らせている人形使いのことが、だ。
「邪魔するにしても、もっとスマートに出来ないわけ?」
「ジャマなんて! そんなんじゃあナイヨォ」
「では、はっきり言おう。邪魔だ。ワタシは今、ミツキを口説いているのに」
口説かれてたのかぁとポカンと口を開けた三月に、パペットの背がべちゃと当たる。本人より動揺しているらしい人形使いが「みゅっ……!」と変な声を上げた。
「変な声を出すな。気色が悪い……」
「う、うるせぇな」
三月には聞き取りにくい訛りで粗野に言った人形使いを見上げれば、照れたのか、ぱしぱしと瞬きをしていた。
「あーあ、気が削げた。おやすみミツキ、良い夜を」
そう言って身を翻したナイフ投げが、三月にだけウインクをする。それをひつじのパペットで遮りながら、人形使いが口を尖らせた。
いーっとした顔をしている人形使いの眼鏡の下を覗き込むと、彼はそっと目を逸らす。
「どうした?」
どうして割り込んで来たんだろう。本当に、ナイフ投げの邪魔をしに来たのだろうか。
不思議に思って問い掛ければ、人形使いは口をもごつかせて、それからひつじを片付けた。
「ミツの元気が、なかった、から」
「……そんなことないよ」
ふらりと身を翻して部屋に向かう三月の後を、人形使いがとぼとぼとついて歩く。少し早足になる。あからさまかもしれないと思いながら、三月は足を更に速めて部屋に戻り、扉を閉めた。
その扉を、おずおずと人形使いが開いて覗き込んでくる。
「ミツ……あの……」
見下ろされて、気まずくなって、えいと無理矢理扉を閉めた。バンと鳴った扉の向こうで、人形使いが「ひぇ」と声を上げた。船内の騒音の合間にギリギリ聞こえるようなその声色に、少し可哀想になってしまい、三月は渋々と扉を開け直した。
「……ごめん」
驚いたような顔をしていた人形使いが、ふるふると首を振る。
「入っても良い……?」
「……いいよ」
本当は、少し嫌だった。美しい婦人をお人形にして踊る人形使いを見てから、胸に何かがつっかえている。
三月は上着の上からそれを撫で下ろし、部屋に入ってきた人形使いを見上げた。
「ミツは」
もご、と言い淀んだ人形使いが、ひつじのパペットをまた取り出す。何か言い難いことがあるらしい。
「ミツは、ナギにクドか……」
「口説かれてねぇって。あれはナギなりの冗談!」
「……でも」
にゅ、とパペットの横から顔を出した人形使いが口を尖らせている。
「キレイかどうかってキいてた……」
「そこから見てたのかよ……」
覗き見は良くないと人形使いをつつけば、彼は曖昧に笑って目を逸らした。
「だって」
次に言い淀んだのは、三月の方だった。
三月はひつじのパペットをそっと人形使いの手から奪うと、前を向かせて抱き込んだ。
これも、人形使いからすれば可愛いお人形の内の一つで、操る対象の一つで、そう思うとまた撫で下ろしたはずのもやもやが募る。
三月はパペットの中に手を入れて、下手くそな手つきでひつじの口をパクパクさせた。
なるほど、これは少し——言いやすいかもしれない。
「操れれば、誰にでもあんななの、あんた」
「え……?」
人形使いが、ひつじに合わせていた視線を三月へとやる。
「……誰にでも、あんな……好きみたいな、顔すんの」
昂揚して、興奮して、うっとりとした表情を向けるのだろうか。
三月が勝手に期待して、勝手に思い込んだだけだった。あんな風に触れられる自分はきっと精巧で美しい造形物だと、そう自惚れただけだったのだと思わされる。
「……あれは、イチの指示で」
人形使いが不可解そうに視線を巡らせ、目で天井をそろりと撫でる。ふと視線を三月に戻し、瞬いた。
「……人操るの、好きなんだな、やっぱり」
しどろもどろになりながら、三月はパクパクとひつじの口を動かす。パペットで顔を隠してそうしている内に、自分が今どんな顔をしているかわからなくなった。
「そういう、わけじゃ……」
「だって、オレの時と同じ顔してた。誰にでも同じなんだ、あんたって」
そこまでひつじに言わせて、はっとする。
パペットを人形使いに取り返され、三月は思わず顔を覆った。
「ミツ」
ひつじをローブの中にしまった人形使いが、すうっと三月の手を撫でた。顔を覆っていたはずのそれが自然と持ち上がって、顔を隠したいのに隠せなくなる。
「あ、わ……」
操り糸に絡め取られているわけでもないのに、人形使いの意のまま、両手を取られて顔を覗き込まれた。
「……同じでは、ダメ?」
「だ、ダメじゃない……オレが、勝手に」
ひつじ、ひつじが欲しい。つい目を逸らす。
「勝手に、特別だって思ってただけ」
人形使いが、ちゅっと三月の唇に吸い付いた。頬にもキスをされて目を瞑る。
「ひゃ……」
「特別」
特別だよ、と耳に流し込まれ、三月は全身が強張るのを感じた。
おかしい。さっきから操り糸もないのに、体が自由に動かない。
「ミツは素敵だから、特別……」
「す、素敵だから、って……?」
自由の利かない体を持ち上げられて、寝台に降ろされる。フードを脱いだ人形使いが、静かに三月に覆い被さってきた。
「もっと特別に、したいけど……」
首筋に人形使いの唇が当たって、ちゅ、ちゅと音を立てられる。
「う、嘘だよ……! だって、オレなんて」
くすぐったくて恥ずかしくて身を捩るのに、人形使いは更に三月の上着を外して、ブラウスの胸元を探った。
「全然、綺麗じゃ、ないし……」
そう言えば、人形使いが不服そうに三月の顔を見る。首の後ろの三つ編みをゆっくりと解いて、ほぐして、ふらふらと降りてきた髪を梳きながら、寝台に三月の体を横たえた。
「確かに、俺は綺麗な物が好きだけど、好みと欲求は別だからな」
低い声でそう言った人形使いが、半開きになっている三月のブラウスに鼻を差し入れる。もぞもぞと胸元で動いたかと思うと、三月の胸の飾りに辿り着いてきゅっと口先で啄んだ。
「わ」
そのままちゅうと吸われ、三月は体を捩る。解かれた髪がシーツに擦れて音を立てた。
「お、おい、よせよ……!」
恥ずかしくてむず痒くて、人形使いの顔を退けようとするのに、力が入らない。首の後ろがぞくぞくとして、それが背骨を伝って腰まで下りてくる。べろりと胸を舌で押されて、体が跳ねた。
三月の鳩尾に吸い付いた人形使いが、そこをじゅっと吸う。吸い付かれて付いた赤い痕を見下ろして、三月は咄嗟に部屋の照明を見上げた。
「け、消して、明かり……」
聞き入れてはもらえなかった。
乱れたブラウスが腕に絡んだままだと言うのに、そのままズボンを下される。
人形使いに性器に触れられるのは初めてではないが、それにしても——三月の下着から半勃ちになっている性器を取り上げ、人形使いがそこにキスをした。
「う、わ」
驚いてる間に口の中に含まれて、三月は頭が真っ白になる。くちゃくちゃと唾液に濡れた舌に触れられ、圧を掛けては吸い上げられしている内に、いよいよ完全に勃ち上がってしまった性器がむずむずとしてきた。
そうして昂ぶらせているのが人形使いの口だと思うと堪らず、三月は寝台の上を這って逃げようとする。けれど、性器の根本をきゅっと指で包まれ、逃げられない上に力も上手く入らない。
人形使いが三月の性器から口を離せば、唾液がつうと伝った。
「だ、ダメだっ、て……や、やば」
そのまま大きな手に扱かれている内、三月は呆気なく射精してしまった。
「んぅっ、くっ……!」
懸命に声を噛み殺して、一息吐く。
以前は人形使いが口を塞いでくれたが、今は——人形使いの顔を見れば、彼は手の平にべっとりと付いた三月の精液に唾液を落として、へらと笑っていた。
「え、な、に……」
後退りする三月の体を引き戻し、人形使いがうつ伏せに返す。三月が事の次第を把握する前に、人形使いはびしょびしょに濡らした手の平で、三月の尻の合間を撫でた。
「え、え……?」
「綺麗」
「き、綺麗じゃないだろ、そこは……」
緊張しきっている三月の下半身を緩く揉んで力を抜かせる。濡れた指で尻の合間を撫でていたかと思うと、急にその指が穴に潜り込んできた。
「ひゃ」
精液と唾液の温い温度と人形使いの指の熱さに、びくりとする。そんな震えを撫でつけられ、腰の骨の形を探るように前に後ろに辿られて、三月はふらりと腰を揺らした。
「え、やだ、なに……こ、れぇ……!」
うつ伏せている寝台のシーツを、思わずきゅっと握る。
「や、やまとさ、ん……?」
肩口から人形使いを見上げれば、そこには人を操っている時の比にならないくらい、うっとりとした表情があった。いっそ凶暴にさえ見える。
そんな表情を見せられ、三月の体温がどっと上がった。吹き出した汗がシーツに伝って、湿り気を帯びる。
(な、なに、オレ……何されん、の)
怖い。怖くて、胸がばくばくと鳴って旋律を奏でた。
人形使いの指で押し広げられている尻の穴に何か、指でない物があてがわれた。なんとか振り返っている三月からは見えない。
人形使いが僅かに身を低くしたかと思うと、その何かが三月の中に割って入ろうとしてくる。
急に訪れた圧迫感に、三月は思わず寝台を殴って体を起こそうとした。なのに、その体を背後から人形使いに抱き締められ、拘束される。みしりと圧迫を増していく下半身から力が抜けて、がくっと痙攣した。
「ひっ、い」
酸素が回らなくなり白んでくる頭の一角で、ようやく「犯されている」と認識する。口を塞がれて体を仰け反れば、そのまま室内の壁に体を押し付けられた。
「うっ、ぐ」
三月の肩口に解けた髪が纏わりつく。後頭部に擦り付けられる人形使いの口元から熱い吐息が漏れるのを感じて、ぞくぞくと背中が泡立った。
「アっ、やぁ……だぁ……」
下半身には相変わらず杭が埋まっているような感覚がある。人形使いが背後で動くと、尻の入り口が擦れて、痛いのか熱いのかわからない。ただ苦しくて、人形使いの頭に腕を回した。離してと懇願しようとするのに、うまく声が出ない。
「特別……」
そんな中、囁かれた言葉にぴくりとする。
「ミツを、俺の特別にしてあげる……」
ずりずりと腰を押し付けられ、中の物が三月の内側を埋めて突き上げてくる。
「こ……ふん、して、んの……?」
「うん……」
胸の形を確かめるように揉み上げられ、摘み上げられると、鼻から声が抜けた。そうされながら、腰をぐりぐりと押し付けられる。
「してる……欲しくて欲しくて、たまらなかった、から」
ずれた眼鏡の向こうで、人形使いがうっとりと目を細めた。
しなっている三月の腰を、人形使いの指先が辿る。腿を焦ったくつつかれて、撫でられた。何度もそうして形を確かめられて磨かれている内に、特別の意味が腹の底に落ちたような気がした。
(はら、あつい……)
いつの間にか、また勃ち上がっている自分の性器が壁に当たる。
「も、っと」
気持ちよくなりたい。後ろの鈍い刺激よりも確かなそれに、三月はふらりと腰を揺らした。
(自分の部屋の壁で、自慰、してる……)
はっは、と乱れる呼吸を背後から押さえつけられ、頭が更にぼうっとした。
(あ、ちげーや……)
伝わってくる人形使いの息遣いも荒い。
(二人で、してるんだ、った……)
マスター、とまた声を上げそうになる。見えない糸に意識を操られる感覚が立ち上ってくる。気を失ってはならない。ぼんやりと霞む理性で辛うじて繋ぎ止めて、吐き出さないでいた。
(俺の意識まで操られたら、この人が……)
——人形相手の自慰になっちゃう。させたくないな。一緒がいい。一緒にしていたい。
(うん……一緒が、いい)
三月は、掠れた声で人形使いの名前を呼ぶ。
「やまと……さん」
「ん……?」
吹っ飛びそうな意識の中、なんとか人形使いの腕を掴む。
「あんた、はっ……オレのこと」
様子のおかしな三月を見て、人形使いが動きを止めた。緩やかになっていく律動の合間に、三月は呼吸のリズムを整えていく。
「オレのこと、人形として、欲しい……の?」
そう尋ねると、大和は三月に体を押し付けながら、ふると首を振った。
「……特別、って」
掴んでいる手に力を込める。三月はひとつ息を飲んで、それから言った。
「好きって、こと……?」
尋ねて、振り返る。ぎょっとしている人形使いの眼鏡が汚れて曇っていた。その向こうの顔をみるみる内に赤らめていく人形使いに、三月は思わずふはっと吹き出す。
「あ、わ……わ……」
三月と体を繋げたまま、きょろりとひつじのパペットを探している人形使いの腕を引いた。体と体の隙間が、びっちりと埋まる。
「おい、よそ見すんな……」
「あう……」
「言って、あんたの言葉で」
「う……え、っと」
三月の内側を押し上げて出たり入ったりする物の感触をなんとか追っている。早く言ってもらわないと、達してしまいそうだった。
「み、ミツが……すき……ほしい」
「……いいよ、わかった」
ここまできたら、一緒に達せるような気がした。
「じゃあ、一緒にしよ……」
三月はきゅっと目を閉じて、脚を開いた。体の内側で再び激しく動き出した物をなるべく奥まで受け入れて、出来る限り悦ばせようとぐずぐず腰を振る。
暫くして、人形使いが急に動きを止めた。かと思えば、すぐに三月の中に収まっている物がびたびたと震えて、何か温いものが染みてくる。
それが何かわかった時には、自分の部屋の壁が白濁で汚れているのにも気付き、三月はそこでようやく羞恥と困惑を思い出したのだった。


今回は流石にローブに包まれて丸まっているわけにはいかないと思ったのだろう。人形使いは三月に怒鳴られるまま、壁を雑巾でせっせと拭っていた。
三月はと言えば、じんわりとした下半身の鈍痛と内側に残る違和感に頭を痛めたまま、寝台の上にへたり込んでいる。
(ど、どうしよ……)
許してしまった。こんなことまで。
別に、壁をせっせと拭いている人形使いの特別な好きになりたかったわけでは、ないと思う。ただ、他の綺麗な「お人形さん」にも恍惚とするなら、三月は人形使いにとって誰とだって同じなのではないか、なんて、そんな考えが頭を過ぎっただけだ。
勝手に期待をして、勝手に——自分が彼から特別可愛がられていると思い込んでいただけだのに。
(欲しくて堪らなかったなんて言われたら……)
三月は、まだ痺れている尻をそうっと撫でた。
(……オレも、あんたのこと)
ん、と振り返った人形使いが、少し緊張した面持ちで三月を見る。眼鏡のレンズが相変わらず汚れていた。
三月は自身の下半身をちろりと見てから、人形使いに「眼鏡、洗えよ」と呟いた。